政治猫

猫が政治と戯れています

JA全中は農業を犠牲にするなと言うけれど

EPAにおいて農業は製造業の犠牲になってきたのか? バナナとリンゴ・みかんは一緒? それでも農業の体質強化につながるならいいけれど EPAにおいて農業は製造業の犠牲になってきたのか? 今月はじめ、日EU経済連携協定(EPA)交渉が大筋合意に達した。交渉中…

安倍政権の支持率急落によって農業改革と貿易自由化が鈍化する

安倍首相の支持率低下とJAが持つ政治的影響力との関係 支持率低下が日欧EPA国内対策措置の議論に与える影響 GATTウルグアイラウンド国内対策措置の教訓 安倍首相の支持率低下とJAが持つ政治的影響力との関係 安倍政権の支持率が急落している。新聞紙によって…

EPA/FTAで前例を作ることの重要性を示したTPPと日欧EPA

日欧EPAに対する作山氏のコメント 前例の重要性としての日シンガポールEPA EPAの恩恵をどうアピールするか 日欧EPAに対する作山氏のコメント 本日(7月9日)の「日本農業新聞」に明治大学の作山氏のコメントが掲載されている。同氏は次のように日欧EPAを批判…

日欧EPA〜サイドペイメントによるウィンセットの拡大〜

日欧EPAの大筋合意成立と発効できずとも意義のあったTPP 農業セクターが日欧EPAに同意した要因〜ツーレベル・ゲームによる説明〜 日欧EPAの大筋合意成立と発効できずとも意義のあったTPP 日欧EPAが大筋合意に至った。保護主義が蔓延する中でこのような合意に…

大筋合意が近づく日EUEPA、消費者の利益と農業の利益のバランスをどうとるか?

大詰めを迎える日EU・EPA交渉 乳製品の関税引き下げが争点 ちょっと余談、、、農産品の国際認証 関税以外の農業保護を目指せばいい 大詰めを迎える日EU・EPA交渉 新聞等で報じられているが、日EU・EPA(経済連携協定)の大筋合意が近づいている。日本、EUと…

農業の産業としての特殊性と多面的機能

農業がなぜ保護されるに値するのか。 その根拠が農業の産業としての特殊性と多面的効果である。古い本だが、基本的な主張は今日でも概ね変わっていないので、豊田隆の本をもとにそれぞれについてまとめたい。 農業政策 (国際公共政策叢書) 作者: 豊田隆 出版…

G7サミットが終わって〜国際秩序の費用負担〜

G7サミット閉幕 国際秩序維持のための非対称的な費用負担にアメリカはもう耐えられない G7サミット閉幕 トランプ大統領の言動が注目されたイタリア・タオルミナG7サミットが閉幕した。自由貿易を擁護する共同声明が発表できるか注目されたが、この点について…

外圧の効果〜日本は彼の国の属国か?〜

日本は彼の国の属国? Schoppaの"Two-level games and bargaing outcomes"をもとに 日本は彼の国の属国? 日本は彼の国(米国)の属国だ、というのはシン・ゴジラでのセリフだが、新聞報道、ネットを問わず、日本は米国の傀儡という見方はあちこちで見ること…

真っ当な非主流派から本格的な非主流派への流れ

マクロン氏の勝利、しかし次はルペン氏か? 真っ当な非主流派オバマ大統領 真っ当な非主流派に失望したら。。。 マクロン氏の勝利、しかし次はルペン氏か? 周知のとおり、フランスの大統領選挙ではマクロン氏が勝利した。極右のルペン候補が当選しなくてホ…

TPP11の貿易転換効果で米国を多国間FTAに引き戻す

TPP11への転換 貿易転換効果 貿易転換効果 → 米国の競争力低下 → 議会への圧力 → 議会から政権への圧力 スポンサーリンク // TPP11への転換 経済規模の観点からはTPPは事実上の日米FTAであった。そのためトランプ政権がTPPから離脱したことは日本にとって大…

政治体制とFTAの帰結

政治体制と意思決定のあり方 55年体制下の政策決定パターン トップダウン型リーダーシップと政治的資源、そしてそれがFTA政策に与える影響 スポンサーリンク // 政治体制と意思決定のあり方 国によって採用されている政治体制は異なる。この相違は通商政策を…

JA全農改革〜改革へ至る選好順位〜

JA全農の自主改革 自ら改革するインセンティブ 今後の行方 JA全農の自主改革 全国農業協同組合連合会(JA全農)の自主改革案が公表されました。 具体的には、 主要肥料銘柄を400から10に集約 中古農機の全国展開 安価な後発農薬を発売 コメの直販を9割にする…

これまでのやり取りが通じない相手が出てきたら〜なぜにトランプ大統領に振り回されるのか?〜

意図をどう正確に誤認させずに伝えるか、それがとても難しい トランプの発言に信憑性を感じるのはなぜ? 意図をどう正確に誤認させずに伝えるか、それがとても難しい 意図をどう伝え、相手がそれを誤認することなく受け取ってくれるかはなかなか難しい問題だ…

メディアの議題設定効果とFTA締結への影響

TPPが頓挫して マスメディアが政策争点に与える影響 メディアと大統領選挙の結果 TPPが頓挫して トランプ大統領が撤退の大統領令に署名したことで、環太平洋パートナーシップ(TPP)が事実上のご破算となってはや2ヶ月。TPPへの賛否はあれど、あれほどまで…

鳥越氏にはリベラル勢力の恥の上塗りをしてほしくなかった

「だから来るところまで来たなというのが僕の実感。その中でリベラル勢力は何してんのか?と。何もしてないわけだよ」 というのは、都知事選を振り返った鳥越俊太郎氏のハフポスト紙における、日本のリベラル勢力に対する評価である。 「『戦後社会は落ちる…

座席という希少資源をめぐる戦い—なぜ妊婦さんに冷たいのか?—

マタニティマークを付けた妊婦さんが電車に乗ると様々な嫌がらせを受けるらしい。座席を譲ってもらえないどころか、わざとぶつかってくるとか、「でき婚のくせに」とか「タクシー乗れよ」とか暴言を吐かれたりとか。。。 たしかにGoogleでマタニティマークと…

参議院選挙を前に参議院不要論を考える—ハイパーアカウンタビリティを避けるために—

トピック「選挙」について 10日が参議院選挙の投票日なわけだが、日本って選挙が多すぎはしないかって最近思う。 2000年以降で見ると、16年のうち12回選挙が実施されているので、1.3年に1回、衆議院選挙か参議院選挙が実施されている勘定だ。 2000年6月(…

知性主義はカッコよくなれるのか?そしてフォロワーを獲得できるのか??

内田樹編著の『日本の反知性主義』(晶文社、2015年)読んだ。 反知性主義についてこれまで知らなかった私にとってとても勉強になった本だが、一方で知性主義者(彼らは否定するだろうが著者たちを知性主義と仮定した場合)になりたいとも思わなかった。 理…

仲良くするべきなのに仲間なんてウザいんだよとエモーショナルに反発する人たちをどうやったら説得できるのか?

イギリスのEU離脱には本当に驚いた。 2014年に行われたスコットランドの独立是非をめぐる住民投票も終盤まで賛否が拮抗したが、結局最後は残留派が約10ポイント引き離して勝利したので、そのアナロジーで捉えてしまって、なんだかんだ結局イギリスはEU残留を…

リベラルコスモポリタンとナショナリストの相性の悪さ

自由や人権、平和といった普遍主義的なリベラルな価値観を掲げるコスモポリタンと固有の文化や民族的価値観を重視するナショナリストの相性は悪い。 コスモポリタン対ナショナリストの対立はかつてもあった。 その1つが19世紀のウィーン体制とその崩壊で…

取り残された層からどうやって支持を再獲得するか?

民主主義のよさの一つは勝者の流動性である。 今回の選挙で敗北しても次の選挙で勝利できる可能性があるから、今回の敗北を受け入れられる。それは政治家や政党にとってもそうだし、その政治家や政党の支持者にとってもそうだ。次回政権を取れる可能性が保障…

で、結局戦後とはなんだったわけ?(3) —西洋的政治思想の中に非西洋性を見出すよりも重要なこと—

現行憲法および今日の日本政治の根幹となる価値観である「自由」や「民主主義」、「人権」などは西洋から輸入された外来思想である。 この事実はこれらの価値観に親近感を抱く人であれ嫌う人であれ否定できない。 外来思想が流入して、日本はどうなったのか…

で、結局戦後とはなんだったわけ?(2) —リベラルの居場所—

私はリベラルの民主主義や人権、平和といった価値観に共感しているが、それでもリベラルのことは嫌いである。 そのきっかけは国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)への自衛隊派遣に反対する平和主義者たちの抗議デモであった。 UNTACは自衛隊が初めてPKOに参…

で、結局戦後とはなんだったわけ?(1)—嫌われものの戦後を好きになるには—

安保法制や憲法改正をめぐって護憲派の旗色が悪い。憲法9条を擁護しようものなら、お前は売国奴か、国際情勢がわかっていない愚か者か、平和ボケか、ネトウヨから相当な罵詈雑言を浴びてしまう。 メディアやネットニュースのコメント欄を見れば、安保法制反…

多数で決めるは悪いのか? —どんな決め方ならいい?—

「多数で決めて何が悪いのか」 5月2日の朝日新聞の「憲法を考える」という論説の一文である。朝日新聞自体が「多数で決めて何が悪いのか」と言っているのではなく、安倍政権の政治を多数の専制と捉えての一文である。 朝日新聞によると安倍政権によって立憲…

成功体験がのちの政策を束縛する

とある経済新聞は5月末に策定される予定の成長戦略が貧弱なものに終わることを懸念しているようだ。 その理由は自動走行やドローンといった流行りの施策が「的」として盛りだくさんに盛り込まれているのだが、それを実現するための「矢」が足りないことにあ…

国際合意の束縛的効果と危機に瀕する日韓慰安婦合意

なぜ政府は他国と合意を結ぶのか。 その理由は多岐にわたろうが、理由の1つがのちの政権の意思決定の拘束にある。 ある政治指導者が自身の望む政策をのちの世代まで残したいとしよう。政権交代の際に次の政権に残すよう頼むことも可能だが、次の政権がその約…

たとえ話の誤謬と認識の政治

ベンサムの功利主義、特に最大多数の最大幸福という概念はほぼ全ての哲学の教科書に載っている。 そして、しばしば彼の功利主義を説明(批判)する際に次のようなたとえ話がなされる。 すなわち、一人の生贄を犠牲にすることで、他の多くの人々が救われるの…

愚かな指導者にどうやって引導を渡すか—頑迷な現状維持派にはあえてアメを与えよ—

アセモグルとロビンソンによれば国家の経済発展をもたらす最たる要因は政治的・経済的制度であるという。 より具体的には自由民主主義のような包括的な政治制度と自由主義的な経済的制度を有する国家は発展し、対象的に権威主義的な収奪的政治制度や奴隷制や…

なぜわれわれは不満なのか—歴史認識を考える—

第2次世界大戦の敗戦後、米国を中心とする連合国によって日本の政治指導者の戦争犯罪が処罰された。確かにそれは罪刑法定主義に反するなど、法的には多くの問題を抱えた裁判ではあったが、それでも、サンフランシスコ平和条約で日本への賠償を役務に限ると…

イレデンティズムを持った覇権挑戦国、中国 —危険な覇権挑戦国、されど日本も自制すべき理由—

ジョージ・モデルスキーによると、歴史上覇権国は4カ国存在する。 すなわち、16世紀のポルトガル、17世紀のオランダ、18世紀から19世紀のイギリス、20世紀の米国である。米国の覇権は今日まで続いているわけだが、米国の覇権に取って代わろうとしているのが…

いつから政治家に本音を求めるようになったのだろう

民主主義を担うのは市民である。その市民は投票にあたり合理的な判断ができるのだろうか。 伝統的に政治学はこの問いに対して「否」と答えてきた。 ウォーラスが『政治における人間性』で人間は衝動や本能、性向によって駆り立てられる存在で、民主主義が理…

今の環境がいい —現状が維持されるのは介入がないからではない—

私は日本の自然が好きだ。ゆえに日本の自然はいつまでもこのまま残ってほしいと思っている。 ただ、日本の自然を保護すべきという意見に共感できるのは、私が日本の自然を楽しみたいというすぐれてエゴイスティックな理由によるのであって、特段自然保護それ…

民主主義に倦んでいる —トランプ&サンダース現象と民主主義でも解決できない不満層—

Horowtizによると、エスニシティや人種、宗教や言語等の属性によって分断されている社会では、エスニック集団ごとに政党が作られ、自分の属するエスニック集団の政党に投票する傾向が強くなるため、そのような社会では民主主義の定着が困難とされる。 多数派…

日本型家庭制度が社畜を産んだ?

最も流布している「政治」の定義は、イーストンによる「社会に対して行われる諸価値の権威的配分」です。 こうした諸価値の権威的配分はなんらかの集団や共同体が成立するところに常に存在してきました。集団の最も小さな単位の1つは家族で、その他、学校や…

受動史観と能動史観

押し付けられたから憲法は改正されるべきなのか。答えは「否」である。 それはなぜか。 理由は簡単だ。なぜならわれわれは自らの意思で能動的に憲法を受け入れ、そして支持してきたからだ。押し付けられたから本当はイヤイヤ従っていたんです、とはいかにも…

ハラスメントハラスメント —なぜハラスメントはブームになったのか—

昨日(2016年1月30日)の日経新聞の朝刊を読んでいたら「家事ハラ」という言葉が出ていた。家事労働ハラスメントの略で、家事を「女性がやって当たり前の無償労働」と捉えて無視・蔑視する問題のことだそうだ。女性が活躍できるようになるには、家事を分担し…

AIIBは秩序運営の実験室

1-2年位前から話題になったアジアインフラ投資銀行(AIIB)。 この1月から正式に開業したようです。加盟国は57カ国ですが、周知のとおり日本は不参加。ガバナンスに不安があり、中国の影響力が強いので参加すべきでない、または経済同友会のようにガバナンス…

あるべき自分を目指すと、なぜに対立が起きるのか?? —中国の拡張主義的行動は何に起因するのか—

人は何かを失ったときにダメージを受けやすい。同じ金額でも、お金をもらったときのうれしさよりも、お金を失ったときの心理的ダメージのほうが大きいし、恋愛だって、告白して付き合えたときの喜びよりも、別れのときのほうがやはり辛い(付き合えたときに…

Gゼロの時代を考える-中国台頭の影響をどう捉えるか? -

台頭する中国とどう向き合うか。これは日本にとっても世界にとっても重要な問題である。特に中国の台頭が現在の覇権国である米国の相対的な地位低下と同時並行で進み、遅かれ早かれ中国が経済力において米国を追い越すことがほぼ確実視されていること、そし…